旬のインドを発信中


by neelkamal

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カテゴリ:インドの布・手仕事( 5 )

やっぱりブロックプリント

先日、MUJIデリー店の内装のアクセントが
ブロックプリントの版木で作られていて素敵
ってご紹介しましたが↓↓
c0338191_01250802.jpg
版木は専門の職人さんがいて、たくさんの彫刻刀のような
お道具を使ってコツコツと彫っています。
堅い木で彫らないとすぐに摩耗してしまうから、細かい
模様のほど手間がかかり、高価で貴重なのは納得ですよね。
c0338191_01252614.jpg
昔はブロックひとつひとつが小さくて、のんびり作業して
一家を養っていけたんだ・・・と親方が。今はひとつひとつの
ブロックも大きくなり、なんでもスピードのほうが大事な
世の中になったって嘆いていました。でも一番の顧客は
日本なんだって。

ブロックプリント用の版木を作る工房はこんな感じで
分業制をとっているところが多いです。
c0338191_01245450.jpg
手前右側の人はひたすら木を養生し、指定の大きさに
切っていくひと。手前左の人はこつこつと下絵を
打ち込んでいくひと。壁際の人や奥の人はひたすら
図案を彫るひとたち。真ん中の戸棚の前にいる人が
親方です。

この親方、国民賞を受賞している凄腕なんです。
私が今まで見た中で、一番大きくて細かい版木。
60㎝X30cmくらいあったと思います。
c0338191_01342196.jpg
これ、均一に押すの難しいだろうなぁ・・・

アンティークショップなどで売ってるブロックプリント
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下段中央あたりにスタンプが押されているのわかりますか?
これは100年以上古いもので、インド税関規則により
国外持ち出しが禁止されているもの。
アンティークショップなどですすめられても、レプリカで
我慢しましょうね~

涼しくなったらジャイプルに買い物に行きたいわぁ。

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by neelkamal | 2017-05-13 01:31 | インドの布・手仕事 | Comments(0)

パシュミナ・ショールのこと

先日のクラフトミュージアム見学会でもご案内しましたが
カシミール・ショールの話の続き。
インドでは高級カシミールショールのことは「パシュミナ」と
称していますが、日本では消費者庁の定めで、商品名は
「カシミヤショール」という表記で統一されているんだそう。

ヒマーラヤ山岳地帯に生息する山羊には
厳しい冬の間に寒さから身を守るために、毛の内側に
更にやわらかでふわっふわな「柔毛」が生えてくるんです。
それを春先の
毛の生え代わりの時期に
櫛で梳いて集めたものがカシミヤ。
そのカシミヤの中でも、5000メートル級の高地に
住んでいる山羊たちには、更に細くて繊細で
滑らかさとしっとりとしたぬめりのある柔毛が生え
それを集めたものが最高級の「パシュミナ」。

パシュミナとはカシミール語で「柔らかな金」
を意味します。(更に高級品種は山羊=ヒマーラヤン
アイベックスのお腹の下に生える柔毛だって。この子たち↓
c0338191_01494684.jpg
毛の生え変わる時期には彼らが岩肌や尖った枝に
体をこすりつけ、そこにひっかかった冬毛(柔毛)を
集めて手紬で糸を作っていくのです。それが
リングショールと呼ばれる最高級品になります。)

で、博物館でもご案内しましたが、織の図案を
ヒエログリフのように書き表したものを
タリームと言います。
c0338191_01520009.png
一段目 赤4目、白5目、青5目・・・って感じで
親方にしか読み取れないような記号もあったりして。
これはウルドゥー語と同じように右から左へと
読み取りますが、実際に織る模様は左から右へ。

先日「カニ・ショール」のことを書きましたが
カニ とは 小さなボビン:色糸を巻いた糸巻のこと。
(過去記事:「戦利品のショールだよ 」)
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沢山の色糸の巻かれたカニを使って仕上げていくから、
カニ・ショールと呼ばれているんです。
ちなみに現代の図案はこんな感じでグラフ用紙に
描かれています。
c0338191_02034694.jpg
18世紀後半にはナポレオン一世妃ジョセフィーヌ↓↓や、
イギリスのクイーン・ヴィクトリアが愛用したとして
知られるカシミール・ショール。
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いやいや、インドの手仕事、調べだしたら
ほんとにキリがないんですよ~~

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by neelkamal | 2017-02-20 02:18 | インドの布・手仕事 | Comments(0)

モスリン発祥の地

蒸し暑い日々が続くデリー。もっと思い切って
モンスーンらしい雨が降ったら、涼しくなるのに
でもあんまり降りすぎるとインフラ整備が
追いついてないから冠水したり道路が陥没したりするし
悩ましいですね。

夏の間に活躍するのが薄手のコットンのインド服。
ジャブジャブ洗えてすぐ乾いて、しかも長袖着てれば
日焼け防止にもなる優れもの。昔から薄手の平織りコットンは
モスリンと呼ばれインドの名産品だったんですよね。

もともとモスリンはイラクの都市、モースルから
アラビア人がーヨーロッパに広めた、とされていますが
ベンガル地方ダッカで織られたものが、モスルに集積されて
ヨーロッパに輸出されたのではないか、とも言われます。
いずれにしても、モスリン発祥の地モースルが、宗教紛争の地に
なっていることが残念です。チグリス、ユーフラチス川によって
潤い、古くから文化的にも豊かな地だったのに。

ダッカで作られた薄手のモスリンはムガール帝国でも
人気を博し、皇帝たちの肖像画にも度々登場します。
例えば↓↓アウラングゼーブ帝の肖像画では
チョーガと呼ばれるワンピースのような羽織りものが
多分繊細な全面刺繍を施したモスリンであろうと思われます。
c0338191_02084608.jpeg
ダッカ近辺で織られたものは世界最高品質で、1インチあたり
1800本の糸を使用していた、しかも手紡ぎ手織りですから
どれだけ優れた職人がいたか。ムガール帝国の皇帝に
献上され、皇帝たちによって庇護されていたダッカモスリン。
当時の女性たちを描いた宮廷画にも登場します。
c0338191_02090920.jpeg
300番手という細い極上の糸を紡ぐには、早朝の
空気が湿った時間帯のみが充てられ、日が昇ると
乾燥しすぎて糸が反り、紡げなかったんだそう。

当時のモスリンがロンドンのヴィクトリアアルバート博物館に
展示されているんだって。観に行きたーい。
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こんなに素晴らしい手織り物技術があったのに、
イギリスの産業革命で機械織りが台頭し、綿織り物の
輸出国第1位だったインドの売り上げを阻もうと
(要するにライバルを蹴落とそうと)
イギリスの紡績産業が東インド会社の経営者達を使って
熟練手紡ぎ職人達の指を切り落とした、って話もあります。
ちょうどムガール帝国も終焉を迎え、庇護する人が
いなくなってしまった、悪運が重なってしまったんですね。

ようやく昨今、インドやバングラデーシュの手織り物や
手工芸品が見直され、復興してきた技術もあります。
インドに住んでいる方にはもちろん、インドに旅行や
出張で来る方々にも、価値あるインド製品を
見つけてもらえたら良いなーーと願います。
モスリン発祥の地、モースルにも、1日も早く
平和が戻りますように。

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by neelkamal | 2016-07-26 02:37 | インドの布・手仕事 | Comments(0)

インドの布が好きなあなたへ

インドは布・手仕事の宝庫で、昔から世界中の人々を
魅了してきました。調べ始めるとキリがない・・・・・
というほど、文献や資料が沢山あり、ネットでも
ある程度のことは情報収集が可能です。
ただ、やはり現地に出向いて実際の作業工程を
見ることで、ストンと腑に落ちることが多いんですけどね。

インドのテキスタイルやクラフトについて、体系的に
学べるカルチャー教室みたいなのはありませんか
とよく尋ねられるんですが、残念ながら短期でとれる
コースがないんですよね。

私がバイブルのように大事にしているのは、インドの
布リサーチの先駆者である、岩立広子さんのこの本。
日本語・英語の併記で写真も満載、インド各地の
布やクラフトについて網羅されています。
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インドの人々の暮らしと直結した布文化。
バンダニーと呼ばれる絞り染めは
ラージャスターンやグジャラートで今も、職人によって
作り続けられている貴重な文化です。
その起源と発展などについては、この本も
参考に勉強しました。
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アーンドラ・プラデーシュ州の海辺の村、マチリパトナムや
ラージャスターン州のジャイプル界隈で作られている
「ブロック・プリンティング」も、ヴィンテージものは
本当にいい色、いい柄のものが多いんですよね。

インドの布(それだけでなく、世界各国の布も
紹介されていますが)を日本の着物と合わせて
「帯」として使う事例を沢山紹介しているこの本。
c0338191_01115054.jpg
暇さえあればこの本を眺めて、「あ、これは
あそこのアンティーク布屋さんにあった柄だ」
などと一人でブツブツ言いながら、ウットリしています。

他にも英語の本で、グーグル先生に
「books indian textile」で聞いてみると
山ほど検索結果が出てきますよ。

Welcome to the world of Indian textiles!!

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by neelkamal | 2015-02-13 01:26 | インドの布・手仕事 | Comments(2)

インド南北ブロックプリントの技

北インドのブロックプリントといえば、ジャイプルおよび
その近郊の村が有名ですが、ラージャスタンのお隣、
グジャラート州にも伝統的なブロックプリントの技が息づいています。
このご紹介はまた後日するとして。

今日ご紹介するのは南インドのもの。通称カラームカリと
呼ばれていますが、もともとはカラーム(ペン)カリ(仕事)の名の
示すとおり、寺院などに奉納する布を、ペンを使ってロウケツ染めで
作っていた地域があったのです。それがだんだんと木版を使って
布を染めるようになり、名前だけがそのまま継承されています。

テランガナ州(アーンドラ・プラデーシュ州が分割され、二つの州に
なったのは記憶に新しいですね。)の州都ハイダラバードから
陸路移動していると、空港を出たあたりで立派な高速道路だったのが
いつの間にか綿花畑の中を走る道路になり、こんな風景に出くわしたりも。
え~と、ハイウェイはいつ降りたっけ???
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更にアーンドラ・プラデーシュ州の州都ヴィジャヤワダから
海辺に向かって走ります。
(こうして出張であちこち回るおかげで、息子の地理を
教えるときには臨場感溢れる?説明ができますよ。へへ)
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途中点在する村々は「布」の家内工業で
生計をたてている家庭が多く、綿花から篠綿をつくり、それから糸を紡ぎ、
縦糸をはり、横糸をうちこんで布を織る・・・・・・そのいずれかの工程に
関わっています。(村に近くなればなるほど、いろんな生き物が登場。笑)

カラームカリ(ブロックプリント)を施す前に、織物工場から
届いた布を仕上がりの色に合わせて漂白したり、生成りのまま
使ったり、糊付けをする作業が待っています。この工程は
機械でやっているところも多いのですが、この村ではまだ
人力で、お兄さん達ががんばっていました。
c0338191_02550513.jpg

黄色はターメリック、青は藍、葉っぱやら
樹液の塊やら・・・・・こういった自然素材での染めを
行っているところが少なくなってきた昨今。
こうして伝統手法を守っている工房は貴重です。
c0338191_02550516.jpg

一つ目の版を押したもの。
このあと数色、版を重ねたり、更に地色を染めたりして
できあがり。(↓↓これは某Fぁぶ Iんでぃあの商品になるんだそう。)
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木版は?って尋ねて案内されたのはここ。
こういう場所が3部屋分ありました。
が、この雑然とした置きっぷり、必要なものが
すぐに見つかるとは思えないんだけど・・・・・・・
c0338191_02550553.jpg

と、親方に聞いてみたら「大体何がどこにあるかわかってる」と。
奥のほうにあるのに行き着くまで大変そうなんだけど。

こういう村々の手作業が集約されて、商戦に乗り
私達が小売店で手にしているわけですね~。
こうして製造工程を見ると
お店でインドの布があったら、しみじみ眺めちゃいますよね。
貴重なものだし、これはぜひ買っておかねば・・・・って
買い物を正当化したりして。

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by neelkamal | 2014-09-17 00:21 | インドの布・手仕事 | Comments(0)

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