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デカン高原の恵み

先日行ってきたアウランガーバードは
世界遺産アジャンター・エローラー観光の拠点として有名なので、
いらしたことがある方も多いのではないでしょうか。
インドのど真ん中に位置するデカン高原にあるアウランガーバード。

デカン というのはサンスクリット語で「南」を意味する
Dakshinから来ているんですが、そういえばITCホテルの
南インド料理のレストランはダクシンという名前ですよね。
おまけにバラタナーティヤムのラーマ先生の
お嬢さんの名前がダクシナちゃんだわ。

世界的な綿花の産地として有名な地域柄
ちょっと郊外に出ると、延々と続く綿花畑があります。
c0338191_01295267.jpg
最近でこそオーガニックコットンに転じる農家が
出てきていますが、実はかなりの農薬を使う綿花栽培
そのために体に変調をきたしたり、改良種を買う→
農薬を使う→借金が増える という負の連鎖に陥り
更には中国産の綿花が大量にだぶつき、価格の暴落が
起きているため、借金苦による綿花農家の自殺問題などが
問題視されている地域でもあります。

オーガニックコットン作りに転じる農家も増えていて
日本でもこれらオーガニックに移行中の農家が作る
プレ・オーガニックコットンを製品化しているブランドも
ありますし、オーガニックコットンを買い上げる
日本の商社もありますから、綿花農家にもなんとか
頑張ってほしいと思います。

そのオーガニックコットンを使って作る「カーディー」
(手紡ぎ、手織)の綿織物ですが、このカーディーの
認識にも様々なレベルがあり、すべて昔ながらの
手作業でないとカーディーではないとする人と
人の手がなければできない半機械作業でもよしとする人と
見解が分かれています。
たとえば↓↓これ、アンバーチャルカーという半手動機械
ですが、これで紡ぐとかなり細い糸ができます。

c0338191_01373551.jpg
これで紡いだ細い糸だと、カウント数の多い
透け感のある綿織物ができるんです。
(機械がなかった昔にも、同じような薄手の布が
できていたわけで、昔の職人さんたちの腕の良さが
しのばれます)

デリーのネループレイスの布屋さんで「カーディーないの?」
って聞いて出してくれる布が、下地はたしかにカーディーっぽくても
がっつりケミカルプリントだったりして、あ~~~あ って
思うんですが、さすがにここの工房の染料は
すべて植物由来でした。
c0338191_01424034.jpg
件のデカン高原はインドのど真ん中、ヴィンディヤー山脈の下
西ガーツと東ガーツ山脈の間、オレンジで囲んだ
かなり広い地域です。
c0338191_01345620.jpg
ここには紀元前一世紀ごろからすでに王朝があり
6世紀以降にはチャールキャ朝、ラーシュトラクータ朝
その後15世紀半ばから、デカン・スルターン朝の時代が
200年ほど続きます。17世紀末からはムガル帝国が
権力の座につき、そしてマラーター同盟へと移りますが
こうした王朝が存在したことから、職人たちが
自分の技術を存分に発揮する機会が与えられていたわけです。

そのひとつが絹織物、パェーターニー・サーリー
c0338191_01440926.jpg
シルクにこうして模様を織り出していきますから
デザインによってはサーリー一枚織り上げるのに
半年ほどかかるんだそう。しかも原材料がシルクですから
最低ラインでも20,000ルピーほど、上を見れば
きりがない、デカン地方の花嫁衣裳として使われるのも
なるほどな、と納得するサーリーです。

ムスリムの王朝が長く支配していた地方ですが
オールドタウンに行くと黒づくめの衣装をまとった女性や
白装束のムスリム男性が目立ち、新市街のほうはヒンドゥーが
多い印象を受けます。
15世紀半ばからムスリム五王国と呼ばれる王朝が
デカン高原を支配したため、ウルドゥー語の原型が
公用語として使用されていたのだそう。
(のちにこれがダッキニー語と呼ばれるようになりました)
今でもウルドゥー語話者がUPやビハールに次いで
多い地域なんだそうです。

また行こう、そう思わせてくれた、観光だけじゃない
アウランガーバード体験でした。

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by neelkamal | 2016-10-10 02:30 | 青蓮日記 | Comments(0)

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